『手しごとで暮らす』という仕事

新年、明けましておめでとうとございます。

皆さんお正月はいかがお過ごしでしたしょうか。休む間もなく忙しく賑やかだった方、実家に戻ってゆっくり過ごした方、いつも通りの日常の中でお正月を迎えられた方、いろいろなお正月があったことと思います。

店主夫婦は、大阪と岡山のそれぞれの実家で2日ずつほどゆっくりし、犬や甥っ子姪っ子達にまみれながら、それなりに幸せな時間を過ごせました。結婚して、帰る家が増えたのは、ずいぶんと楽しみが増えたということなのだなと感じるお正月でした。

 

さて、2018年は更なる試練と挑戦の年となりそうで、1月も早速3件のイベントが待ち構えてます。

そこで、今年は一気に走り出す前に、お店のこと、Dongreeのこれまでとこれからのことを書き出して整理しときたいと思いました。
長文となりますが、もしご興味ございましたら、ご一読いただき感想やご指摘をいただけますと幸甚です。

 

『いまだ見えぬ理想の場所を目指して』

 

まず、こんなふうに私がお店を始めた理由や想いに重きを置いて、何かのタイミングで発信するのは、ある目標があるからです。

それは、

Dongreeという生き方をもってして、目の届く、声の届く人達にメッセージを伝え、共に豊かと思える暮らしを築くこと。

 

物を作る人がいて、それを求める人がいる。そして皆それぞれが必要な分だけの食料を自給自足できる。既存の経済に左右されない暮らしのコミュニティ。
そんな理想郷を作り、なるべくお金に頼らない持続可能な仕事、生活の形を目指しています。

では豊かな暮らしとは何か。

その答えを見つけたくて、店を始めました。
そして今もまだ探している途中です。

ですが、店主となって3年目を目前にした最近は、少しだけビジョン、というか道筋が見えてきました。

それが

 

『手しごとで暮らす』

 

というテーマです。

ここで言う『手しごと』とは、

顔のわかる一人一人の職人さんにより作られた物(器、衣類、食品、家具、その他生活道具)、
または
農作業や料理をはじめ、自分自身の手で作る物や生活にまつわる行為を意味します。

お金や時間にとらわれて、効率ばかり考えるのではなく、本当に良いと思えるもの(物・者)を暮らしに取り入れていく。
それが私の考える『手しごとで暮らす』、です。

 

そもそも店のコンセプトを考える段階で『手しごと』と『暮らし』というテーマは出ていました。

ただ、それがどんな形で表現し、事業として落とし込んでゆけばいいのかは分からないままでした。
分からないなりにも、日々のコーヒー提供や物販、そして年に数回行う各職人さんごとの展示会を通して、なんとかして世の中に表現できる形を模索してきました。

 

同時にその活動を、なんとかして自分達の生きる糧(お金)にしていきながら。(これが中々にサバイバルです)

 

そして最近、そのDongreeの活動には以下の要素があるということが分かってきました。

 

作る人を大切にする
(手しごとが持続的な活動となるために)

使う人を大切にする
(作る人とお店を支えてもらうために)

時間を大切にする
(手しごとの事を丁寧に伝えるために)

お金を大切にする
(作る人に対価を支払い、伝える仕事を続けるために)

を大切にする
(消費を減らしお金と時間を有意義に活用するために)

 

つまり『手しごとで暮らす事業』というのは、単に手作りの物を丁寧に扱い、販売するだけではだめで、

 

まず自分の身の回りを良い物にしていき、お金と時間を管理することからはじまり、

作り手やお客さんのお金や時間の過ごし方を大切にし、

みんなが豊かになる『バランス』を考え、提案し、表現する。

 

つまり生活にまつわるあらゆる物事に携わり、場や時間を創出していく

『暮らしの総合的なディレクション』

であると改めて気づいたのです。

資金がないと事業は立ち行かない。

これは分かりやすい

ただ、十分な資金があるからといって、良いもの、良い手しごとを大切にする事業ができるとは限らない。

何故なら経済的な裕福度に関係なく、手しごとに関わる人(作り手・使い手の双方)が増えないと、丁寧な手しごとで作られる良い物というのは、多くの場合は高価で、『暮らし』とは離れたお金持ちの趣味になってしまうから。

 

以前、Dongreeのイベント展示期間中に、ある近所の方が立ち寄ってくださいました。
もともと高齢の方が多い地域で、地元の方に中々ご来店いただく機会がなく、悩んでいた頃でした。

手しごとのものを暮らしに取り入れる、それは特に店のまわりで暮らす人たちにこそ伝えたい、そんな風に思ってお店を始めたものですから、展示中に覗きに来ていただいたのは本当に嬉しかったです。

しかし理想と現実は違いました。

展示をぐるりと見て回ったあとで、そのお客様は

『高いなあ』『こんなんは生活にゆとりがある人しかできへんな』

と言われたのです。

高価な物を扱う店、そして高価な物を作る職人、というイメージを持たれたみたいで、その後その方がいらっしゃることはありませんでした。

物の価値観は人それぞれ、かけれるお金も人それぞれであることは十分に承知していましたが、それでも悔しい気持ちで一杯になりました。
まず自分自身も含め、職人さん達も生活のために活動しているので、決してゆとりがあるから出来ているわけではないこと。そんな中で、いつもギリギリのバランスで価格を決め、少しでも多くの人に届くようにと思っていたからです。

 

そして悔しい、と思った一番の理由は、自分の伝え方の未熟と、やはり『お金』というモノサシが目の前の手しごとよりも勝る事実でした。

 

自分だって、欲しいものに出会っても経済的な理由で買えないことは多々あるし、「良い物なんだから買ってください」、とゆうつもりは決してありません。

ただ、今は買えなくてもいいから、良いものに触れて楽しんでもらいたかった。作る人のことをもっと知ってもらいたかった。

それができなかったのが本当に悔しかったのです。

 

経済的にゆとりがある人だけが、良いものを買って時間を豊かに過ごすのではなく、人それぞれに豊かな暮らし方が出来るように。

 

それを提案、事業として成り立たせるには、資金がなくても継続させる意思や、アイデアが必要です。

なにより自分達の暮らしからして、まず経済的にゆとりがありません苦笑

 

『丁寧で良質な手しごと』を大切にして暮らす。

 

それは、お金が入ってからやろう、ではなく、お金がなくもと大切にしたい。

 

それがDongreeの基本的な考え方であり、今一番伝えたいことです。その活動の先に、目指すべき豊かな暮らしがあると思うのです。

 

といいつつ、自分自身その方針が合っているのか正直まだ半信半疑で、いつ力尽きてお店がなくなってしまうか、心配事は絶えません。

だから力尽きるその前に、一つでも多く、確信が持てる活動を積み重ねています。

その活動とは大きく分けて以下の3つです。

 

1.『五焙』のドリップコーヒー

京都5人の焙煎職人による、5つのコーヒーから選ぶドリップコーヒー。
同じ京都の町で新鮮なコーヒー豆を焼く人達と、その先の世界でつながる沢山の人の丁寧な手しごとが、美味しいコーヒーを支えている。それを伝えながら日々、挽きたて淹れたてのコーヒーを提供する。

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店内オリジナルメニュー 『五焙 コーヒー飲み比べセット』

 

 

2.企画展『暮らしと手しごと』  

年に数回Dongree店内で行う、一人の作り手による展示会。
職人さんとお客さんが直接触れ合える場を設け、丁寧なものづくりが日々の暮らしに添えられることの楽しさ、大切さを伝える。

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3.常設展『暮らしの道具店』  

イートインスペースの座敷で、いろんなジャンルの職人による製品を販売。コーヒーを飲みゆっくり寛ぎながら、手しごとに触れてもらう。職人のことや、ものづくりのことを知ってもらう機会をつくる。

この3つの基本活動に加えて、今年は更にもう一つ、店の外で行う活動も視野に入れていこうと思ってます。

相変わらず泥臭い、草の根運動的なことになりそうな予感ですが、今やれるだけのことはやっておこうと思ってます。

 

やれるだけのことはやるつもりですが、繰り返し経済的には貧困の極みです笑

 

ただ、お店を始めて2年ちょっと経った今、「一緒にやろうよ」と声をかけれる頼もしい仲間が増えたことは、お金に代え難い大切な財産です。

Dongreeにお付き合いくださっている皆さん、本当にありがとうございます。

今後とも何卒宜しくお願いいたします。

 

そしてカミサマ、ヨメサマ、もう少しだけ挑戦させてもらえますか?

 

そんなわけで2018年も七転八倒、七転び八起きなDongreeをどうぞよろしくお願いします。

 

 

お知らせ

お店のインスタグラムアカウントを一つ増やしました

@dongree_handworks

これまでの@dongree_kyotoはコーヒーのことを中心に、
新しいdongree_handworksでは、パートナーである職人さん達の手しごとを中心に公開していきます。
それぞれに、より幅と深みを持たせた情報発信をしていきたいと思いますので、店舗ともども、こちらもどうぞよろしくお願いします。
なお、イベント情報はどちらのアカウントでもお知らせする予定です。

 

 

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